テディスの学びには大きく2種類あります。
一つは、「Feel度Walk」に代表される、あえてテーマを設定せず、何となく気になったものを追いかけ、主体的な学びに必要な「しなやかなマインド」を育てるためのものです。2つ目は、ロボット制作やプログラミングなどものづくりにおける試行錯誤を通じて「学び方を学ぶ」ためのものです。
この2種類の学びを組み合わせることで、学びの源である好奇心・探究心フタを開け、自分の手と頭を使った試行錯誤(推論と検証)する学び方を身につけていきます。好奇心・探究心のフタを開き、試行錯誤する学び方(憶えるのではなく概念を理解するための学び方)を学ぶことは初期学習者にとって最も優先すべきことで、これらは「一生の財産」となります。
テーマを設定しない学び~Feel度Walk
テディスはレゴ・ロボット・プログラミングの教室です。直接的には何も関係ないように見える「Feel度Walk」を学びの基礎として位置づけるには、2つの理由があります。一つは、気づきの感度を高め、身近にあるちょっとしたことを面白がる学びのマインドを育てること、もう一つはロボット・プログラミングで学ぶ上での原体験を増やしていくことです。
最近では、幼児を対象とした科学実験を行ったりするサイエンス教室もありますが、科学の根源は、身近にあるちょっとしたことに気づき、「なにこれ?」「なぜ?」「これ面白い!」など、身近にあるちょっとしたことに興味を持ったり、面白がったり、不思議に思ったりするマインドです。
昔はこうした活動、時間は自然と生活の中にあったのですが、大人も子供も忙しい現代では敢えてこうした場を設定する必要があるように思います。こうした幼少期の原体験(Feel度Walkの考案者である市川力さんの言葉)こそが科学する心(マインド)の源ではないかと考えています。知識の前に好奇心・探究心をじわじわと温めることが大切なので歯ないでしょうか。
Feel度Walkについての詳細は以下からどうぞ。
関連
あるいてあつめて面白がる「Feel度Walk」、それが何と誰とどのようにつながり、広がっていくか、直接的に何の役に立つのかは誰にも分かりませんが、確実に将来へ向けたタネ(原体験)を蒔いていることは確かです。寺田寅彦著『科学に志す人へ』では次のように語られています。
とにかく興味の向くことなら何でも構わず貪るように意地汚なくかじり散らした。それが後年なんの役に立つかということは考えなかったのであるが、そういう一見雑多な知識が実に不思議なほどみんな後年の役に立った。それは動物や人間がちょうど自分のからだに必要な栄養品やビタミンを無意識に食いたがるようなものではなかったかという気がするのである。
テーマにフォーカスした学び~ロボット・プログラミング
こちらは、その日に学ぶテーマにフォーカスして学びます。丈夫な構造であったり、バランスであったり、テコのしくみだったり、条件分岐などロボット制作やプログラミングに必要な知識を、年齢・発達段階に合わせてハンズオンで試行錯誤しながら体系的に学びます。試行錯誤の重要性は、「初期学習者が最初に学ぶべきこと」で説明した通りです。
テディスは忙しい現代社会においても、ゴールを目指して一直線のある意味効率的な学びではなく、子どもたちの好奇心にしたがって、時には立ち止まったり、戻ってみたり、寄り道や回り道をしてみる学び方を目指しています。
親も子供も忙しい現代社会では、学びも脇目も振らずゴールへまっしぐらとなりがちで、本来子どもたちにとって大切な学びのプロセス「試行錯誤(推論と修正)」がスキップされてしまっています。立ち止まり、戻る、寄り道や回り道など、一見無駄な様に見えますが、実はゴールに向かう道の周辺には、面白いことや大切なことがたくさん転がっています。何より、テーマに関連した知識同士がつながることで、自分自身で気づき理解することができ、学び・理解が深まります。
2つの学びを支える重要な要素
コラボレーション(協働)
一人でできることには限界があり、企業のリーダーたちは社員の能力を評価する際に重要視しているものとして、第一にチームワーク、そして問題解決力、コミュニケーション力、思考力などを挙げています。複雑な問題が溢れ、多様な価値観が混在するグローバル時代を生き抜く上で、協働して問題解決する力は不可欠なスキルと言えます。
ロボット制作やプログラミングなど、「ものづくり」と聞くと一人で黙々と制作するイメージの方もいるかもしれませんが、テディスでは子どもたちの興味を引き出す導入部分や解決方法を考える際にクラス内で話し合うほか、制作でも協働作業を取り入れるようにしています。
こうした協働は子ども同士だけではありません。生徒と講師、親子イベントでは保護者の方や大人が加わった協働作業となります。大人の参加や異なる年齢でのグループでは、自分一人では到底解決できない問題を解決することもでき、大きな成長へとつながります。
他人任せになってしまったり、安易な折衷案で失敗するなど、大人でも協働作業は難しいものです。小学低学年では自分の考えをうまく伝えることができなかったり、他者の考えをきちんと聴くことができなかったり、自分の思うようにいかずにフラストレーションを感じることもあります。「コラボレーション」というと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、発達段階に応じて協働のレベルを設定したり、講師や大人が加わるなど、誰かと一緒に同じ目標に向かって取り組むことが楽しい体験となるように工夫しています。
講師
テディスには、子どもたちと一緒に活動することが楽しくてたまらない講師、ロボット制作やプログラミングの魅力を子どもたちに伝えたくてたまらない講師など、様々な講師がいます。共通しているのは、子どもたちが試行錯誤の中で自分自身の力で答えがみつかるよう、子どもたちのやりたい方向で一緒に考え、悩み、成功して喜んでいることです。教え込むのではなく、子どもたちのやりたい方向を引き出しているから、子どもたちが創る作品はいつも個性豊かです。