ロボット(ハードウェア)を制作しているときになぜか思っていたような動きにならない、プログラミングをしていてロボットが違った動きをする、しかも原因が分からない。
まだまだ経験が少なく考えることを学んでいる成長過程の子どもたちにとっては、心が折れてしまいかねない一大事です。
こんな時、どのように考え、問題を解決すればよいのでしょうか。
教室を始める前からずっと考えていること、「どうしたら自分で考え、判断して、行動できる人になれるのか?」「好奇心旺盛で学び続ける人に育つためには、どんな環境を整えればよいのか?」
最近、なぜか気になって改めて読み返してみた本があります。タイトルは「創造する心~これからの教育に必要なこと」ですが、『「考えることについて考える」ことを考えてみよう』という項目が目に留まりました。この本は、人工知能の先駆的な研究者であるマーヴィン・ミンスキー博士が子どもの教育について語った6つのエッセイを週力した本で、MITでミンスキー博士の盟友であった研究者による解説が添えられています。
そこで挙げられている問題解決時の考え方として、以下のようなものが書かれています。
- もしその問題に見覚えがあるなら・・・
- それでも問題が難しくて手に負えないなら・・・
- 問題に見覚えがないなら・・・
- アイデアが出過ぎて困るようなら・・・
- 内省。
- なりきり。
- 一時撤退。
- 解法の当てはめ。
- それでも進まないなら・・・
この中の⑤「内省」、⑥「なりきり」、⑦「一時退避」が面白い。
「一時退避」、本当に行き詰った時はこれが一番かも、なんて思ったりします。私は行き詰った際、思考がどんどん狭まってしまい別の角度から見るということが難しくなってしまうことがしばしばあります。一旦休憩して(お風呂に入ってリフレッシュするのもよいでしょう)、頭をリセットしていると、ふっと解決のアイデアが浮かんでくることがあります。粘り強く取り組みことも大切ですが、休憩して頭を切り替えることも重要ですね。
最後の「それでも進まないなら・・・」ですが、この続きはなんだと思いますか?
「誰かに助けを求める」です。年齢や性格によって、諦めずに問題解決に取り組める時間的な長さは異なります。子どもたちが困っているとき、どのタイミングで手を差し伸べるか、判断はとても難しく、いつも悩みます。せっかくの成長の機会です。安易に「答え」を教えてしまうのはなく。子どもが何とかしようと必死になっているのを温かく見守ってあげたることも大切です。