今回は、「ロボット教室・プログラミング教室で伸びるチカラ」について改めて考えてみます。
ロボット教室やプログラミング教室のホームページを見ると、ほとんどの教室で「思考力」、「創造力」、「問題解決力」といった言葉をみることができます(当教室も)。ロボット制作のスキル、プログラミングスキルといったところを全面に出しているところは少し探しただけでは、見つけることができませんでした。
ロボット教室・プログラミング教室に通っている全員がロボットに関わる仕事やプログラマーを目指している訳ではありませんし、それが一番の目的ではないことからも当たり前と言えるでしょう。
では、子どもたちが社会に出て求められる思考力、問題解決力、創造力とは、どんなものでしょうか?
21世紀に求められる思考力とは、様々な分野の知識を総合的に活用して、様々な視点で客観的にとらえ、自分の考えとして整理できる力だと思います。そして問題解決力は、答えのない課題に対して主体的に行動し、周囲と協力しながら問題解決できる、実行力までを含めたものでしょう。
問題解決において、解決方法を考える上で創造力は必須です。しかし、創造力というと、限られた人にしかない才能のように感じてしまうかもしれません。しかし、考える習慣や訓練の積み重ねで手に入れられるものなのです。自分でデザインし、試行錯誤して想像したものを完成していく「モノづくり」は創造性を伸ばす上でとても有効な訓練であると言えるでしょう。
ロボット制作・プログラミングで伸ばせるのか?
では、ロボット教室やプログラミング教室でこうした思考力・問題解決力・創造力は伸ばせるのでしょうか。「内容(カリキュラム)による」というのが私の考えです。ポイントは以下の点であると考えています。
オリジナル作品を作る機会
ロボット(ハード)制作においても、プログラミングにおいても、最初はマネて作ることから始まります。しかし、これだけでは、モノづくりを通した学びという点では不十分です。ロボットを組立図通りに作る場合、うまく動かない原因を探すことになりますが、これは問題解決というよりも間違い探しでしょう。プログラムを見本通りに作って上手くいかない場合も同様に、問題解決ではなく間違い探しであり、パラメーターを変更する作業は単なる調整作業です。モノづくりを楽しむ取っ掛かりとしては良いのですが、いつまでもこのままではもったいない気がします。
見本通りにつくるのは、教室・講師にとっては都合が良いのです。なぜなら、講師はテキストの内容だけを事前に学習しておけばよいのですから。自由に制作した場合、ロボットもプログラミングも制作する子どもによって異なります。問題が発生した場合、本当に制作のスキルがある、プログラミングの知識がないと適切なアドバイスはできません。問題が起こっていない場合でも、「たまたま」ということもあります。
遊び(玩具化)に終わらない工夫
特に幼稚園児・小学低学年の場合、ロボット教室、プログラミング教室での活動が、単なる遊び(玩具化)とならないような工夫は必要不可欠です。子どもが意識している/意識していないは別の問題ですが、活動が学びにつながっているのか、成長につながっているのかが、とても重要です。講師の重要な役割がここにあります。授業形式と自習形式、性格などによって向き不向きはあると思いますが、特に学び方が分からない/学ぶ姿勢がみについていない低学年の場合は、講師が学びをリードしていく授業形式が望ましいと考えています。
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