
レゴ・エデュケーション「教材の変化」

レゴ・エデュケーションの変化と思うこと。
2020年から2021年にかけて、レゴ・エデュケーションの教材に大きな変化がありました。
私たちの教室でも使用していた多くの教材が相次いで販売終了となり、その影響を強く感じています。
相次ぐ教材の販売終了
まずは、近年販売終了となった主な製品を整理してみます。
- 2015年12月:アーリーストラクチャー(代替品なし)
- 2019年12月:空気力学セット、エネルギーセット(代替品なし)
- 2020年12月:アーリーシンプルマシン、シンプルマシンセット、サイエンス&テクノロジーモーター付基本セット
- 2021年6月末:マインドストームEV3(SPIKEプライムに移行)
うした動きは、2015年のデュプロ教材「アーリーストラクチャー」販売終了から始まっていたのかもしれません。当時は代替品もなく、今思えばレゴ・エデュケーションの方向転換の兆しだったように思います。
SPIKEプライムとBricQモーションへの移行
近年発表された代替教材には「SPIKEプライム」や「BricQモーション」がありますが、従来の教材と比べると教育的なアプローチが大きく異なります。
たとえばSPIKEプライムは、レッスンプランを見る限り、すでに完成されたプログラムにパラメーターを加えるだけの構成になっており、自分で試行錯誤する余地が少ないように感じます。
「考えること」の大切さが失われつつある?
レゴ教材の魅力の一つは、「自分で考えて試行錯誤する」ことが自然と促される点でした。
ところが近年のモデルは、見た目の完成度は高いものの、組み立てがガイドに沿った一方向的な活動になってしまいがちです。
子どもたちがモデルを改良しにくかったり、自分なりの工夫を加える余地が少なくなることで、「考える機会」を奪ってしまっているのではないかと感じます。
レゴは素晴らしい。でも教育に必要なのは…
もちろん、レゴブロックそのものの精度や設計思想は素晴らしいですし、企業として変化に対応し利益を追求するのも当然のことです。
ただ、「レゴ・エデュケーション」として考えたとき、本当に子どもたちの「学び」を後押しする教材であり続けているのか、という点に少し疑問を感じています。
私たちは、完成度よりも「未完成な余白」にこそ学びの可能性があると考えています。自分の頭で考え、何度も試して失敗し、改善していく——そんな体験ができる教材こそが、これからの時代に必要なのではないでしょうか。
まとめ:与えすぎない教材が「考える力」を育てる
どんなに便利な世の中になっても、未来を生きる子どもたちには「考える力」が必要です。
そのために、教育においては「至れり尽くせり」でなく、自分で考えられる余白を大切にすることが、これからますます重要になると感じています。
