今、なぜ論理的思考力・問題解決力が必要なのか?
ロボット教室やプログラミング教室で伸びる力として、論理的思考力や問題解決力は必ずと言って出てくるワードです。では、そもそもなぜこうした力が求められてるのでしょうか。そして、これらの力を伸ばすにはどうしたらよいのか?さらには、ロボットやプログラミングの学習をしていれば、こうした力は自然と身につくものなのか?といったことを何回かに分けて整理してみたいと思います。
「正しくやる」から「正しいことを見つける」時代へ
私たち保護者の世代が幼少期であった時代は、経済は放っておいても右肩上がりで伸びていく時代でした。この時代で求められたことは「やるべきことを正しくやる」ことでした。しかし、価値観が多様化し、またデジタル化が進んだことで、変化が激しく先の見えない時代へと突入し、前例のない複雑化した問題に直面することとなりました。そこでは、今までのような「正しいこと=正解」がありません。そもそも何が問題であるかも分かり難くなっているのです。現状を分析し、「正しいことを新たに見つけて、やらなくてはいけない時代」と言えます。
論理的思考に基づいた問題解決力
価値観の多様化、グローバル化、さらには様々な分野で境界がなくなりつつあるボーダレスな世界では、問題は複雑化しています。また、前例のない答えのない問題に直面するようになっています。これまでのように、経験や成功体験、思い込みや勘によるのではなく、本質的な問題を正しく把握し、解決するための考え方、「論理的思考に基づいた問題解決力」が求められるようになった訳です。正解のない問題に対して、「正しい意思決定を行う」、「周囲を説得して巻き込む」という点において、論理的に考えることはとても重要なスキルとなっているのです。
問題解決スキルは誰でも身につけることができる
では、時代が求める論理的思考に基づいた問題解決力を育てるという点で、教育はどのように変わってきているのでしょうか。少しずつ変化はあるものの、学校教育は「答えのある問題、しかも答えは選択肢の中にある」という状況に大きな変化はなく、「正しくやる」のままであり、時代に追いついていないのは事実でしょう。
アクティブ・ラーニング、探究学習といった言葉が一般的になってきてはいるものの、「答えのある問題を与えられ、しかも答えは選択肢の中にある」教育現場と、「そもそも本質的な問題が何かを発見しなければならない」組織や企業とのギャップは大きいままなのではないでしょうか。
では、組織や企業が求めている論理的思考力・問題解決力をみにつけるには、どうしたらよいのか?論理的思考力、問題解決力、どちらも「才能あり/なし」といったものではありません。現時点で学校教育に大きな期待はできませんが、意識して取り組めば誰でも得られるスキルです。もちろん数字に強い/弱いとか、考えることが好き/嫌いとか、個人差はありますが、一生懸命努力すれば、問題解決は必ずできるようになるのです。変化の速い時代、知識は陳腐化しますが、考え方は一生ものです。頭の柔らかいうちに、しっかりと身につけておきたいですね。
次回以降、問題解決のステップや考え方などについて整理していきます。その中で、大手通信キャリア、大手通信関連メーカーの企画部門で様々な問題解決に取り組んできた経験を、どのようにテディスの学びの中に取り入れているかも紹介していきたいと思います。