コンストラクショニズムを実践するロボットプログラミング教室

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〜「自分で作る」から「自分で学ぶ」へ〜

なぜ今、コンストラクショニズムなのか?

「どうしてうまく動かないんだろう?」「このセンサーの位置、変えてみたらどうなるかな?」
子どもたちが、そんな問いを自ら発し、何度も挑戦と修正を繰り返す姿。私たちが目指す学びの理想形です。

いま、社会が大きく変化するなかで、必要とされているのは「正解を素早く出せる力」ではなく、「未知の問題に対して自ら考え、解決方法を模索する力」です。こうした力を育むために、近年あらためて注目されているのが「コンストラクショニズム」という教育理論です。

今回は、この理論がなぜロボット教室やプログラミング教育と相性が良いのか、そして私たちテディスではどのようにこの考え方を取り入れているのかをご紹介します。

コンストラクショニズムとは?教育理論の基本

「コンストラクショニズム(Constructionism)」は、MITメディアラボの創設にも関わったシーモア・パパートが提唱した教育理論です。パパートは、子どもが“受け身で教わる”のではなく、“自ら作りながら学ぶ”ことの価値を説きました。

この考え方では、知識は与えられるものではなく、「自分で手を動かして何かを作る」中で自然と頭の中に構築されていくとされています。つまり、作ること(Making)が、そのまま学ぶこと(Learning)なのです。

「試して、失敗して、気づいて、また作る」──この繰り返しのなかに、子どもたちの学びが深まっていくと考えられています。

ロボット製作・プログラミング教育との相性

テキストを読むだけの勉強とは違い、ロボット教室では手を動かしながら“作って学ぶ”活動が中心です。子どもたちはロボットの設計・組み立て・プログラミング・実験と、何度も試行錯誤のサイクルをまわします。

「思ったように動かない」
「プログラムを少し変えたら、逆におかしくなった」
「じゃあどうすればうまくいく?」

こうした“うまくいかなかった体験”こそが、まさにコンストラクショニズム的な学びなのです。子どもたちは失敗から多くを学び、やがて自分なりの仮説と戦略を立てて挑戦するようになります。

さらに、ロボットプログラミングは自然と「論理的思考力」「問題解決力」「創造力」などの21世紀型スキルを育てる教材としても注目されています。

自分の手と頭を使って試行錯誤して学ぶイメージ

テディスのロボット教室に息づくコンストラクショニズム

私たちテディスでは、このコンストラクショニズムの考えを、教室のあらゆる活動に取り入れています。

Feel度Walk:自由な探究を通じて「作る前の思考力」を育てる

テディスの独自活動「Feel度Walk」は、あえてテーマや正解を決めず、子どもたちに“なんとなくやってみる”体験をしてもらう活動です。子どもたちの「!?」「やってみたい」を出発点に、偶然の出会いを大切に新しい視点や発想に出会います。

これは、ロボット製作の前段階としての「探索的思考」を育てる大切なプロセスです。作る前に、「なんとなく気になる」「これ、なに!?」と感じる力を、感覚的に身につけていくことができます。

正解を追わないから主体的になるのイメージ

成長段階に応じたカリキュラム設計

テディスのロボット・サイエンスのカリキュラムは、子どもの発達段階に合わせて「ベーシック」「アドバンス」「マスター」の3ステップで構成されています。

  • ベーシック: センサー制御や基本的なプログラムを学びながら「動く喜び」と「自分で作る面白さ」を知る
  • アドバンス: ロボカップジュニアなどを題材に、条件分岐・関数など高度なプログラミング思考に触れる
  • マスター: マイコンボードや電子工作を通じて、より創造的なロボット制作に挑戦

ステップが進むほどに、「先生の指示を再現する」から「自分で目標を設定し挑戦する」学びへとシフトします。これはまさに、コンストラクショニズムが理想とする主体的な知識の構築のプロセスです。

ロボットコンテスト挑戦=思考と試行の集大成

私たちはロボカップジュニアなどのロボットコンテストへの参加も推奨しています。競技では、ただ作るだけでは勝てません。「どうすればもっと安定する?効率的になる?」と、自ら問いを立て、仮説を立て、何度も修正を重ねることが必要です。

この過程で、コンストラクショニズムがいう「作りながら深く学ぶ」という体験を、子どもたちは自ら体現していくのです。

おわりに:「正解」ではなく「問い」をつくる力を

私たちが育てたいのは、「先生の言ったとおりにできる子」ではありません。大切なのは、自分なりの問いを持ち、試し、失敗し、学び続ける子どもたちです。

コンストラクショニズムの考え方は、まさにそのような学びを支えるものです。そしてロボットプログラミングという実践の中で、子どもたちは確かにその力を身につけていきます。

テディスでは、これからも「作ることを通じた学び」の価値を大切にし、子どもたち一人ひとりの“やってみたい”を支える教育を続けていきます。

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