論理的思考力に基づいた問題解決のステップ ~ 必要な考え方
前回は、論理的思考力に基づいた問題解決力が求められている社会的背景、問題解決力は努力で身につくものであることを書きました。今回は、問題解決のステップとその中で最も大切な問題発見のプロセスと、どのような考え方が必要なのかを整理します。
問題解決のステップ
問題解決では、①問題の発見、②解決策を考える、③解決策を実行する、④結果を検証する(解決策を実行するに含めてもよいでしょう)、を繰り返します。最後の「結果を検証する」は疎かにされがちですが、とても大切な作業です。必要であれば修正を行います。
テディスでは、幼稚園児のクラスから問題解決アクティビティを取り入れています。問題解決のステップと考え方を、授業を例に分かりやすく説明していきたいと思います。年中児対象のクラスブロック・ビルダーⅡでは、レゴ野生動物園で発生する様々な問題をレゴブロックの制作する作品で解決していきます。「強い風」というタイトルの授業回を例にして見ていきましょう。
①問題を発見する
レゴ野生動物園のキリンの親子が強い風の中、震えている様子が描かれたイラストを見ます。この親子はどんあ様子であるか?それはなぜだと思うか?を子どもたちに尋ねます。子どもたちにはイラストを見せますが、講師は風が強く吹いていることも説明しません。イラストに描かれた木々が風で大きく揺れていることから風が強いこと、体が震えていることから寒くて困っていることを、子どもたち自身に予想してもらいます。
4つのステップにおいて最も重要なのは、この「問題を発見する」ことです。誤った問題認識は必ず間違った解決策につながり、題を解決するどころか問題を悪化させてしまいます。問題を正しく認識できていれば解決策の立案は比較的難しくはありません。
以下は、客観的に現状を分析して本質的な問題を発見することを難しくしている要因です。皆さんも思い当たる節もあるのではないでしょうか。
- 思い込み(過去の成功体験が邪魔をする)
- 自分の知りたいことに興味があり、人の話に耳を傾けない
- 論理的に考えることが苦手
起こっている現象と本質的な問題を見分ける
問題解決では、問題の把握を誤ると間違った解決策をとってしまうことにつながりますので。正しく問題点を認識することがとても重要です。また、どんな切り口、あるいは立場でとらえるかによっても、問題の見え方は全く変わります。
問題の本質的な原因として可能性のあるものを複数考え、一つ一つ検証しながら問題点を絞り込みますが、子どもの場合、まずは、「何となく」とか「直観」ではなく、しっかりと「考える癖」を身につけることが重要です。そのとき、正しいかどうかは問題ではありません。特にレゴブロックを使っている場合、間違っていたら組み直せばよいのですから。また、間違いも指摘されるのではなく、検証段階までに自分自身で気づけることが理想です。この意味においても、なぜそう考えたのかが大切になります。なぜ、そうしたのかを意識することは次の修正に必ずきてきます。