教育書籍「科学が教える、子育て成功への道」
「科学が教える、子育て成功への道」~強いココロと柔らかいアタマを持つ「超」一流の子を育てる
約3年前、2017年に日本語訳が出版された本です。本来ならこうしたタイトルの本には興味を持たないのですが、以前に読んだ「子どもの遊びは魔法の授業」(原書タイトルは「Einstein Never Used Flash Cards: How Our Children Really Learn–and Why They Need to Play More and Memorize Less」)の著者の一人キャシー ハーシュ=パセックさんが著者であったこと、訳者の一人が何度かお会いさせていただいている市川力さんであったことで、当時すぐに購入した本です。
本書のキーとなるものが頭文字「C」からとられた「6Cs」のスキルです。
- Collaboration(コラボレーション)
- Communication(コミュニケーション)
- Content(コンテンツ)
- Critical Thinking(クリティカルシンキング)
- Creative Innovation(クリエイティブイノベーション)
- Confidence(コンフィデンス)
3番目の「コンテンツ」、これまでの学びで重要視されてきた「知識」は、重要なスキルの1つに過ぎないとされています。第1章では、『21世紀における「成功」とは何か?』となっているように、「学業の成績が良い= 成功」というこれまでの考え方を見直すことから始まっています。
第4章『ハードスキルとソフトスキルの完璧なバランスを追求する』を読むと、ソフトスキルとハードスキルの両方を含む6Csはバラバラでは意味がなく、相互に関わりあうものだということが分かります。第1章の6Csについて書かれている部分にもシステムとして統合的に働くスキルと書かれています。
第5章以降は各スキルについて詳細に語られ、第11章では6Csを実際にどのように活用するのかという実践的な内容まで踏み込んでいます。理論的なものだけでなく、実際にどのように使うことができるのかはとても参考になります。
テディスの授業ではどうなっているのかを考えてみました。
「コラボレーション」と「コミュニケーション」について、子どもたちの興味を引き出す導入の部分や解決方法をクラス内で話し合うことがあったり、制作などでも協働作業を取り入れています。「コンテンツ」は制作したもので実験を行いながら、子どもたち自身が気付いたり発見できるような内容としています。
「クリティカルシンキング」はテディスでいう科学的思考方法に近いかもしれません。
「クリエイティブイノベーション」は、問題解決アクティビティで学んだ知識を生かして困っている人を助けるという部分に通じています。
最後の「コンフィデンス」です。テディスの理念でもある「試行錯誤する」ということ一つにおいても「コンフィデンスは」重要な要素であると思います。できたつもりで終わりにしてしまっては本当の「コンフィデンス」では得られません。新しいことに挑戦し、根気強く取り組み、最後にうまくいった経験を積み重ねることが本当の「コンフィデンス」につながると考えています。低年齢になるほど、根気強く続けられるか、集中力が切れてしまうかの境目の見極めがとても難しいですね。